本気でWeb系に就職したいなら、就職活動は2か月目には始めるべきだと思う理由

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このブログを見ている方の多くは職業訓練やスクールなどで学んでいる方が大半かと思います。

その場合、基本的には最終目標は「スキルを活かせる就職先に就職すること」になるでしょう。

ところが、実際に様子を見ていると、就職活動になかなか踏み出せない方も少なくありません。

今回はそのような方に向けて、私が「2か月目になったら就職活動を始めた方がよい」と思う理由を解説します。

この記事は「Web系の就職先が少ない地方」の方に向けたものです。

住んでいるところの状況によってベストな選択は変わってきますので、ご了承ください。

理由:卒業後は精神的につらく、選択肢が狭まるから

まずタイトルに対する回答です。

職業訓練を例にとると、およそ4か月ほどのスケジュールになると思います。

その中で2か月目が始まったくらいというと、「そんなに急がなくても…」と思うかもしれません。

しかし、訓練期間中は講師などのサポートもあるので、履歴書や職務経歴書の書き方、作品集の見せ方、不採用だった時などの精神的なフォローが可能ですが、卒業するとそれがありません。

訓練中にできた友人がいたとしても、どちらかが就職が決まると気軽に相談できなくなるということも十分考えられます。

訓練期間が終わったら、就職活動は基本的に孤独です。

給付金などがなくなり、収入が徐々に減少し、親からも「そろそろ就職したら…?」という、心配から出た言葉が耳に届くようになると、一気に視野が狭まります。

そうなったら、就職の選択肢は一気に狭くなり、自分の希望と何一つかみ合っていない就職先を選ぶことになりかねません。

ちなみに、これは10年前の私の経験でもあり、現在講師として教えている経験でもあります。決して他人事で言っているわけではありません。

相談ができて、愚痴がいえている訓練期間だからこそ、就職活動は頑張ってほしいのです。

就職活動にどれぐらい時間がかかるか

では実際に就職活動にどれくらい時間がかかるのでしょうか。

企業による、という側面はありますが、目安としては3週間~2か月ぐらいではないでしょうか。

急募の求人だと1週間以内に決まったケースもありますが、Web系の求人では今のところお目にかかったことはないです。

オンライン面談、スキルチェック、対面の面談、最終面接など踏むべきステップは思ったより多いと思ってください。

職業訓練中の心理的な推移

あくまで代表的なパターンですので、全員に言える話ではありませんが、様子を見ていると以下のように感じているのではないか、と思います。

1か月目

初めて知ることが多く、技術に対する興味が一番強い時期。目の前の新しい情報を追いかけることで頭がいっぱいになって先のことまでイメージが中々持てない。

2か月目

Webの技術が思いのほか難しいと感じだす時期。

スクールの広告などを見て「簡単にできそう」と思っていたイメージが現実とマッチしだします。

目の前の壁を超えることに専念してしまい、この時点でも先のことを考える体勢になりにくい。

個人的には、このタイミングで制作や就職活動を含めてどれだけ積極的に動けるかが分水嶺になっているように感じます。

3か月目

徐々に技術が飲み込めてきて、形にできる時期。

「習ったけど、飲み込めていなかった」内容が、実践を通して「そういうことか!」となってきます。

飲み込めたら飲み込めたで楽しくなってくるので、就職活動は「もうちょいできてから…」となってしまいがち。

4か月目

できることがかなり増えて、作品制作にかかりっきりになる時期。

制作はある意味終わりがないので、時間がいくらあっても足りないと感じだします。

一方で終わりが見えることで就職がチラついてくるものの、見てみると今一つ希望に合致しないから「とりあえず今は作ることに専念して、いい就職先が見つかったら就職活動をしよう」となり、就職活動が進まないケースを多く見かけます。

イヤな話だが、現実として受け止めておくべき

ここに出した例は、私が教えてきた中で最もありがちだったケースです。

皮肉な話ですが、新しい技術を学ぶ楽しさを感じるほど、就職活動などの現実の話が遠いものに感じてしまいやすくなります。

だからこそ、現実として受け止めてほしいと思っています。

早めに就職活動をした方がプラスになる可能性は高い

あくまで地方の話であることをことわったうえで、再度言いますが「早めに就職活動をした方がプラスになりやすい」です。

これには2つ理由があります。

現場に飛び込んだ方が成長する

ただ、講師の立場で言うのもなんですが、Webの技術は学校などで習うよりも現場で磨いた方が数十倍ためになり、楽しくなります。

職業訓練やスクールなどで習う内容はもちろん実践想定になるように考えられてはいますが、それでもなお、実際に仕事をしている方からしてみればひよこ以前のたまご状態のようなものです。

もちろん、就職先に迷惑をかけてよいというものではないので、行った先で全力で頑張るのは当然です。

逃した求人は、戻ってこない

これは地方だと本当にある話で、1か月目や2か月目に求人を見ると、「結構希望には沿っているけど、ちょっと今は自信がない」という絶妙な求人が出ていたりします。

力がついてから挑もう、という気持ちはわかるのですが、その求人は、基本的には2度と出てきません。

企業側から見れば当然ですが、他の方がその求人で採用されたら企業はそこで採用活動を終了します。

採用した人によっぽど問題があればまた出る可能性がないとは言えませんが、「この求人いいなぁ」と感じるところには多くの人が来るので、人格的、スキル的にそんなに早く見切られる人が採用される確率は低いと考えておくべきでしょう。

どのタイミングであれ、これだという求人が出たらすぐに申し込むべきだと思っています。

作品ができてから就職活動を始めた方がよい、という意見もありますが…

SNSなどでこの手の話を見ると、「ろくに技術も学んでない作品集を持ってこられてうんざり。本当に就職したいならしっかり作りこんでから応募してください。」というような発言が多く、同業者からは基本的に評価されています。

この発言は背景をきちんと知っておかないと誤解されてしまいかねません。

「作品のクオリティを上げてから応募して」の背景とは

元々の話として、この発言の背景にはWebデザインのスクールが乱立したことが発端だと私は認識しています。

もう数年前の話ですが、「3か月でプロのWebデザイナーに!」というキャッチコピーで多くのスクールが集客していました。

その結果何が起こったかというと、求人に応募してくる人が見せる作品集がスクールの課題、もしくは参考書をトレースしたものが次々とくる、という事態になりました。

実際に作ればわかるのですが、あらかじめやることが決まっているものをトレースするのと、一から構成を考えて作り上げるのでは難易度がケタ違いですし、実際にお客さんから受注して作るときは自分で考えないと話になりません。

そういった経緯もあり、未経験者の応募にうんざりした結果、「作品のクオリティを上げてから応募して」となるわけです。

ちなみに、その結果の一端を知りたいのであれば「WCB Cafe」と検索してみてください。

これは非常に売れた「1冊ですべて身につくHTML&CSSとWebデザイン入門講座」に出てくる練習用のサイトです。

これを著作者の許可があるかは知りませんが、練習した人たちがWeb上にアップしているのです。

誤解の無いように言っておくと、「1冊ですべて身につくHTML&CSSとWebデザイン入門講座」はWeb制作を全く知らない初心者が参考にするのに最適な本だと思っています。(実際に私が教えるときも使用しています)

問題は、それをもって「私の作品です」と出している方がいることなのです。

都会と地方は違う、という大きな背景

仕事柄、Twitter(X)などでWeb系の発言を追っているのですが、多くのケースにおいて発言している方は都会、もしくは地方の大都市で仕事をしている方です。

実際に検索すればわかりますが、ハローワークベースでも求人数が圧倒的に違います。

常に選択肢があるのなら「クオリティを上げてから応募」はまごうことなき正解です。おそらく私も同じことを言うだろうな、と思います。

しかし小都市に分類される地方では、冗談抜きで実質的な求人ゼロになるケースがあります
(実質的に、というのは「Webデザイナーって言っとけば求人来るだろ」という悪質な求人を見かけるためです)

この記事の冒頭に注意書きを入れたのはそういったことがあるためです。

そのため、私は「地方で求人が少ない状況であれば、スキル云々はともかく、チャレンジした方がよい」と考えています。

決まったからといってすぐに就職、とは限らない

もう一点大事な話をしておくと、就職が決まったからと言ってすぐ働くとは限らないという事です。

企業によりますが、受け入れる方も準備が必要です。そのため、就職するまで猶予期間があり、その間にこれを勉強しておいてください、と指示が出るケースもあります。

実際に生徒で見たパターンは「少しでいいからPHPについて学んでおいて」や、「IllustratorやPhotoshopでこれを作る練習をしておいて」などです。

受け入れの準備をしている間に少しでも学習コストを軽減させたいという事もあるので、そういった方法をとることもあります。

2か月目に就職活動、3か月目に内定、4か月間終了してから就職、というケースも何度か見てきました。

早めに就職活動をするからと言って早く仕事をするとは限らないのです。

もちろん、速攻で入社してガンガンもまれていくケースもありました。企業によって様々です。

就職活動と作品制作を両立させるには

ここまで「早く就職活動をした方がいいよ」という話をしましたが、当然の疑問として「早く就活しても作品はどうするんですか?」となりますよね。

この答えとしては、「1か月目からギアを最大限に上げて取り組む」です。

元々Web業界は未経験お断りの風潮が強いです。

その中で自分の希望を叶えるなら、全力で取り組むしかありません。

私はよく「フライングOK、知りたいことがあればどの内容でも教えるよ」と伝えています。

併せて、就職活動時に作品が対してできていない時には「いつから初めて、今何を学んでいて、現時点ではこの状態です」と伝えようとも教えることがあります。

この業界は仕事をしだしてからが本番です。コミュニケーション力もさることながら、「どん欲に技術を吸収できる人か」というところも大切です。

むしろ「2か月でここまで行ったの?」と思われるぐらいがんばりましょう。未経験はみんなポテンシャル採用になるわけですから、ポテンシャルをアピールすることは有効です。

過去は変わらない。今どう動くかが大切。

正直なところ、東京やその近郊はもちろん、福岡や広島のような都市もうらやましいな、と思います。

求人もさることながら、セミナーに行くのにも簡単ですから、色々といいよなぁ、と。

もし若いころにWebに出会っていたら実家のことを考えずに都会へ行っていたかと思います。

とはいえ、過去は変わらないですし、どうしようもないことを嘆いても始まらないのです。

幸い、Webは場所を選ばずに仕事ができる業種です。経験さえ積んでしまえば後々の選択肢は広がっていきます。

今できる中でベストの選択をしてほしい、という思いから長文になりましたが今回のエントリーを書きました。

すべての人に当てはまるわけではないですが、この記事を見て思い当たる方の参考になればい幸いです。