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Web系の職業訓練に行くと多くのケースで「取得可能資格」に挙げられるのが「サーティファイ」の資格。
検索すると「とったほうが良い」「とっても意味がない」と人によって意見が分かれています。
そこで、サーティファイ系の資格が必要かどうか、どういった方がとるべきか、対策はどうしたらよいかについて解説していきます。
サーティファイのWeb系資格の概要
Webデザインの職業訓練で「取得可能な資格」として記載されていることが多い資格に、サーティファイという団体が主催する資格試験があります。
スタンダードとエキスパートの2種類があり、スタンダードはHTML/CSS、エキスパートはそれに加えて極めて初歩的なJavaScriptが入ることもあります。
実技問題は指示にそってコードを記述するもので、エキスパート限定の知識問題では4択で回答していく形式です。
問題で基準にしている技術がかなり古いため、現状のサイト制作とは若干切り離して考えた方が良い部分もあります。
この記事の投稿(2023年)時点では問題の更新はされる予定は発表されていません。
サンプル問題などもあるので、詳細は以下のリンクで確認してください。
両方とも概要は同じなので、まとめて紹介します。
スタンダードとエキスパートに分かれており、スタンダードは実技問題のみ、エキスパートは知識問題がついてきます。
2023年に問題と問題集が改定されたため、対応バージョンが直近3年ほどのものになっています。
問題集をもし公式ショップ以外で手に入れようと考えている方は、以前のものを間違えて購入しないように注意する必要があります。
問題は指示に従って作業を行い、制作物を作る形です。
範囲が広いため、特にエキスパートは問題集に記載されていない機能の問題が出ることもしばしばあります。
そのため、「取れるところで点数を稼ぐ」「知らない機能が出てもパニックにならない」ということが重要だと感じています。
資格の取得でなぜ意見が分かれるか
実際検索された方は感じるかもしれませんが、サーティファイの資格名で検索すると「とっておいた方が良い」「とっても意味がない」という意見がともに出てきます。
実際はサーティファイの資格に限った話ではなく、どの資格にもいえる話ですが「とっておいて損はない」「明確なゴールに向けて頑張れる」と考えるのであれば取ったほうが良いとなりますし、「資格取得 = 就職と安易に考えてはいけない」と考えるならば「とっても意味がない」となります。
Web系の制作会社に行きたいか、企業の広報担当として技術を生かしていきたいか、地方か、都会か、など、様々な前提条件で資格の是非は分かれるでしょう。
ここからは、私の私見ですが、とったほうが良いパターン、取らない方が良いパターンという形で紹介します。
サーティファイの資格をとったほうが良いパターン
まず、サーティファイの資格をとったほうが良いパターンは、制作会社ではなく、比較的小規模な会社の広報担当などに就職したい場合です。
別記事で投稿する予定ですが、そもそもWeb系の制作会社は未経験の採用に前向きではないケースが多いため、特に地方においては採用されること自体がハードルが高いという現状があります。
その一方で、「SNSの更新と簡単な印刷物の作成、サイトの更新ができる事務」のような求人は年々増えつつあります。
そのため、制作会社は自分の技術ではちょっと…という方はそのような求人を探すことも多く、それも一つの正解だと思っています。
ただ、そうなってくると採用側がWebや印刷についての知識を持っていないケースが多いため、明確に根拠を示した方が有効なケースもあります。
そういった際にはサーティファイの資格は有効であると言えるでしょう。
サーティファイの資格を取らないほうが良いパターン
先程とは逆に、制作会社への就職を希望する場合は、取得を見送るという判断が必要だと感じています。
誤解の無いように言っておくと、資格を取ってマイナスになることはありません。取るに越したことはないのは事実です。
ただし、職業訓練(スクールでも同じかと思います)の場合、学ぶ時間は有限です。
大抵の場合は4か月、長くても半年のコースになるかと思います。
その期間でIllustrator、Photoshop、HTML/CSS、JavaScriptの基礎を学んだうえで、ポートフォリオに掲載する作品を作らなければいけません。
前職で少し触っていたなどであれば別ですが、多くの場合はほぼ初心者からのスタートになるため、教えている側の体感としても本格的に理解できるようになってくるのが3か月目以降です。
ポートフォリオに掲載する作品集も、1個や2個ではまず通りません。少なくとも見た目上整った状態のサイトを4個、5個と作成してようやく勝負の土俵に上がるレベルだと考えてください。
また、採用する側はプロとして働いている方々なので、作ったものを見て、ある程度質問すればどの程度のレベルかは察しが付くことも多いです。
そのため、職業訓練中、とりわけ作品制作にフェーズが移ってからは時間がいくらあっても足りないという状況になりがちです。
一方で資格を取りに行くのならばそのための学習が不可欠です。
資格はあるに越した方が良いですが、制作会社に行くのであれば作品制作が最重要命題ですので、そちらを優先したほうが良いと言えるでしょう。
サーティファイ系の資格を確実に取りに行くための対策
それでは実際に受けると決めた場合に何をすればよいのか、という話をしていきます。
公式サイトはWebで8割~9割、IllustratorとPhotoshopは7割以上の合格率になっていますが、分けて書いていないので、おそらくはスタンダードとエキスパートの合算です。
特にIllustratorとPhotoshopは練習量が足りていなかったり、本番でパニックになると普通に落ちます。油断大敵です。
それぞれの適性にもよるとは思いますが、難易度はPhotoshop=Illustrator>Webだと感じます。
大学入試などは前年などの過去問がありますし、その時の正答なども公開されるため、試験対策が取りやすく、対策講座などを設けることも少なくありません。
しかし、サーティファイ系の資格は随時受験形式にしている関係もあり、正答や過去問は非公開になっています。
また、範囲もかなり広く、公式問題集でもカバーされていない技術についての問題が出たこともあります。
そのため、ピンポイントな試験対策が取りづらいという点で、難しいと感じることも少なくありません。
前述の状況を踏まえて、私が最も効果的だと感じる対策は、「公式問題集をやりこむ」の一点です。
もちろん、基礎的な技術を学んだうえでです。
サーティファイに限った話ではないですが、技術系の資格なので当然「実技問題」があります。
ある程度「こうしましょうね」というガイドが問題に示されているので、書かれている通りにやれば合格します。
ただし、最初に問題集を見た多くの方はこう言います。「書いていることの意味が分かりません」と。
「言われたとおりにすれば正解できるが、何を言っているかが分からない」というのが多くの方のスタートラインです。
解説すると「その機能のことだったのか」と合点がいくのですが、それを理解するのが難しい。
とはいえ、問題を作る側の立場で考えると「そういわざるを得ないよな」とも感じます。慣れるしかありません。
言わんとすることが分かっても、その機能を頭からすぐに引き出せなければ合格できません。
そのため、慣れてきたら見ずにトライすることが重要です。
実務経験があれば比較的よく使用する者が多いのでぶっつけ本番でもある程度どうにかなりますが、未経験の状態からだと容易ではありません。
今までの経験上、「まったく答えを見ずに問題が大体できた」という状態では、まだ十分ではありません。
そこまで来たら、2,3日空けてもう一回トライしてみてください。
短期記憶は簡単に頭から抜けていきます。そこで念押しにもう一回練習をしてください。
公式の問題集は、試験にもよりますが、3つ~4つの模擬問題で構成されています。
経験上、それを4周すれば本番での合格率はかなり上がります。
こう聞くと簡単に思えるかもしれませんが、最も短いWebのスタンダードで1つ60分、IllustratorやPhotoshopのエキスパートだと140分(2時間20分)あります。
4周するとなると4×4=16回こなす必要があるため、平日に1日1回やったと仮定してもほぼ1か月かかる計算になります。
練習量が追えなくても合格する可能性はありますが、お金を払って取りに行く以上は徹底的にやるべきだと私は考えています。
1週目は、解説を見ながら問題文の言っていることを理解してください。この時点では無理に頭の中から引き出そうとしない方が時間を有効活用できます。
2週目は、できるだけ見ずにやって、でもわからなければすぐに確認してください。
3週目は、極力見ずに、わからなくても粘って解いてみてください。
4周目ぐらいで、「もういい加減覚えた」と感じたら合格は近いです。もしそれでも不安材料がある場合は、さらに繰り返し練習してください。
サーティファイの資格を取るべきかどうかは進路次第
サーティファイ系の資格に限った話ではないですが、職業訓練における民間資格の是非については「持っておいた方がよいが、時間と相談」が基本だと考えています。
とりわけWebやDTPの領域は知っておくべきことが多く、どこを目指すかによって必要なスキルセットは異なります。
そのため、資格があるからとりあえず受けよう、ではなく、自分の進路を考えたうえで受験をするかどうかを決めるのが最も理想的です。
職業訓練の際は担当の講師の方や学校のキャリアアドバイザーなどの方に相談できるケースも多いので、ぜひ進路をしっかりと考えて取り組んでいただけたらと思います。